冬の登攀 2

2024/11/11 (月)

冬の岩壁。氷壁のダブルアックス技術が使えず、凍てついた岩壁をグローブをはめた手と登山靴に装着したアイゼンで登攀(とうはん)することを強いられたとき、最高難度の岩壁登攀となります。

なにをするにも、のろまで、ぎこちなく、不器用で、下手くそです。おまけに、臆病で、思い切りが悪い。さらに、日ごろの怠惰な生活のために身体にキレはなく、トレーニング不足のため腕はすぐにパンプします。自分のダメ人間ぶりが、見事にさらけ出されてしまいます。

登攀(とうはん)は、遅々として進まず、日の当たらない岩壁のなかでは、凍える寒さなのですが、不思議と体は熱気を帯びてきます。

写真は、夏は景色の良い快適な初級コースの西壁。最高の絶悪コンデイション。クライマーは、一面に張った氷を丹念に落とし、じりじりとザイルを伸ばす小倉直宗さん。赤岩で技術をみがき、赤岩のルート整備から、ハーフドームやデナリ、ヒマラヤのドルジェラクパなど、世界中の山々で活躍しています。